トーホーシネマズ:TOHOシネマズ
正式名 TOHOシネマズ株式会社。映画館の運営だけでなく、レストラン、喫茶店も経営、広告代理業も営む。映画館は関東に21館、中部に6館、関西に9館、九州に1館ある。総ての映画館がシネコンであり、多くて9スクリーンを備えている。映画館に因ってはスクリーンが特別だったり、シートやシート配置が特別だったりする。トーホーと言えば東宝である。東宝は「七人の侍」や「椿三十郎」、「ゴジラ」を生み出した映画制作会社である。現在映画製作会社として、東映と一位二位を争う企業である。映画館事業としてはワーナーマイカルやT-joy等の大手がひしめき合っている競争率の高い事業形態である。その中にあってトーホーの名を冠した映画館が何故今増え始めているのか?その謎を探って行こう。
映画館とは元々ニュースを沢山の人に見せる為の建物であった。それがアメリカ映画の流入に因って娯楽映画を見る場に変化したのである。その多くは実写映画ではなくアニメーション映画だった。テレビが国民の間に普及する、1953年辺りから日本中にあった映画館は減り始めるのだ。1966年頃からカラーテレビが普及し始めるとそれは更に加速した。1970年代頃からのベータやVHSの普及に因り、更に激減。しかしその頃の劇場公開映画は、劇場で公開後2〜3年を経過しないとテレビやテープとして見る事は出来なかった。この時間差が資金に余裕のある映画館を存続させる鍵となった。1990年代頃から映画館でドルビーと言う音声処理技術が普及し始めると、映画館とメディアとの関係に変化が起こり始める。当初ドルビーは映画館の為の音声処理技術だった。それがパーソナルな個人に対してダウンサイジングされ始めると、映画館の音は単なる力任せにしか聞こえて来ず、完全に映画館指向の人々と、自宅で高音質で映画を楽しむ人々とに分かれてしまったのだ。この頃から劇場放映からDVDになる期間は3ヶ月に大幅に短縮された。これがホームシィアター普及へ拍車をかけた。ドルビーを開発したドルビー社も個人志向を見抜き、ホームシィアター向きの音声処理技術を次々に開発、提供して来ている。DVDが急激に普及すると、今までアナログで単なるステレオ音声を再生していたAVアンプが、デジタルに因る複数チャンネルを積極的に再現し始めたのである。現在ホームシィアター向きのドルビー社音声処理の種類は、8種に及んでいる。これに監督ジョージルーカスが提唱するTHXが加わると9種となる。日本のオーディオメーカーがこの変化には一番早く対応している。AVアンプは現在7.1chを再生可能だ。実は映画の製作段階では7.1chで製作している。しかし映画館ではこれが5.1chになってしまうのである。
高度な音声技術普及と共に、映像の高精細化も並走する様に開発が行われて来たのである。ハイビジョン直視型大型プラズマテレビや、液晶テレビが発売。更に有機ELやSEDの開発競争の様子を聞くだけでも非常に楽しくなる。同時に投影型映像装置の小型化低価格化が実現し、マニアはプロジェクターに、とにかく良い画像が簡単に見たいと言う人はテレビを買うと言う形になっている。特プロジェクターの高精細技術は特筆すべきもので、映画館の様な単なるでかいだけの映像より物語りの中にすんなり溶け込めるのだ。しかしハイビジョン映像はDVDでは観られない。HDDVDかブルーレイでしか観られない。そう数年もしない内に再生機が普及し、レンタル市場にもどちらかのディスクが並ぶ事になるだろう。ハイビジョン映像を大画面で体験するともうそこからは抜けられない、映画館の粗い映像はもう観る気はしない。今や映像は映画館よりホームシィアターなのだ。しかも音声処理も映画館より正確にリファレンス出来る。映画館では5.1chを正確に耳に取り入れようとすると、着座席にこだわりを持たねばならない。だがその着座席は競争率が高い。音に対してこだわりのない人はそれで良いが、映画を心底楽しむなら是非スイートスポット、観覧室の中央に座りたいものだ。それが簡単に、好きな時間に、人に気兼ねする事無く実現するのがホームシィアターであるのだ。
だが今は映画館で映画を鑑賞する事も重視されて来ている。これはホームシィアターの普及にも原因がありそうだ。